中国、茶葉の対アフリカ貿易が活況呈す

2024-09-25

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 中国安徽省黄山市は緑茶の主産地の一つである。緑茶製造・加工を手掛ける黄山金昱茗食品は2008年以降、茶葉をガーナやセネガル、モロッコなどアフリカ10カ国近くに輸出しており、年間輸出量は約8千トンに上る。

 中国発祥の茶は世界三大飲料の一つで、多くのアフリカの人々にとって高温・乾燥の気象条件下で喉の渇きを癒し、体の熱を下げるための必需品となっている。23年の中国の茶の輸出量は36万7500トン、輸出額は17億3900万ドル(1ドル=約141円)で輸出量上位10位の輸出先国・地域のうち、7カ国がアフリカ諸国となっている。

 中国は世界最大の発展途上国、アフリカは発展途上国が最も集中する大陸であり、両者の発展に対する共通の渇望、それぞれの発展段階と資源の状況をみると、両者間の協力・発展が「互いにニーズと優位性があり、互いにとってチャンス」ということは決定的となっている。中国茶輸出の活発化は中国とアフリカの商業分野における互恵・協力関係の例証と言える。

 千年前の古代海上シルクロードはかつて、主要貿易港のある広東省広州市と東南アジアや中東地域、さらにはアフリカをつないでおり、中国茶のアフリカへの伝播はここから始まった。

 安徽省黄山市黄山区新明郷猴坑村で、農具や茶などを山の間で輸送するドローン。

 「東方の茶葉」で結ばれた「世紀の経済・貿易活動の動脈」は今、新時代を迎えて一新された。ますます多くの中国企業がアフリカ市場を熱心に深耕し、現地の人々に合わせた茶製品を生産している。

 茶葉の製造・販売を行う黄山一品有機茶業の輸出業務責任者の程海霞(てい・かいか)氏は「アフリカ各国の飲み方や味覚に合わせた商品を開発することができる」と語る。例えば、西アフリカでは小さなポットでお茶を淹れる習慣があることから、同社が開発した25グラム入りの個包装が使用に適し、発売後すぐに輸出業務の90%を占めるようになったと明かした。

 程氏は「アフリカの多くの国は茶を生産していない。消費者の多様なニーズに応えるため、中国企業が一連の新措置を打ち出しており、それが現地市場の活性化と雇用創出に大いに役立っている」と述べた。

 同社の対アフリカ輸出額は2020年が1千万ドル余りだったのに対し、24年は6500万ドルに上る見通しで、年平均伸び率は60%に迫る。だが、程氏はもっと先を見据えており、「アフリカ諸国の経済の不均等発展を踏まえ、マリ事務所の規模をさらに拡大し、アフリカで販売する茶の価格を引き下げる」との考えを示した。

 ここ数年、貿易促進や投資主導、貧困削減・農業優遇などをテーマとするプロジェクトに支えられ、中国とアフリカ間の経済・貿易協力は着実に進展している。23年の両者間の貿易額は2821億ドルに上り、中国は15年連続でアフリカ最大の貿易相手国となった。23年末時点の中国の対アフリカ直接投資残高は400億ドルを超え、中国はアフリカにとって最も主な投資元の一つとなった。中国企業は直近3年で、アフリカで110万人分以上の雇用機会も創出している。(新華社)