科学者が考える「理想の都市」世界ランキング、深圳市が2位

2023-10-12

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上空から見た深圳市の夜景。(8月25日、小型無人機から、深圳=新華社記者/毛思倩)

 中国上海市でこのほど、「2023浦江イノベーションフォーラム(第16回)」が開かれ、科学技術イノベーションの中心である世界の20都市を対象とした「2023理想の都市-教育、科学技術、人材の高度発展にまい進する世界都市」と題するアンケート調査の結果が発表された。都市ランキングの上位5位にはシンガポール、深圳、ボストン、上海、ニューヨークが名を連ねたほか、中国からは北京が6位、香港が13位に入った。

 このアンケート調査は、上海市科学学研究所が世界学術出版大手シュプリンガー・ネイチャーに委託してオンライン形式で実施した。世界各国の科学技術イノベーション中心都市20都市の第一線の科学者を対象に、都市の教育や科学技術、人材の発展に対する主観的な意見、展望と提案を聞き取ったもので、有効回答数は800件を超えた。20都市の内訳は中国の北京、上海、深圳、香港のほか、東京、ソウル、シンガポール、ムンバイ、テルアビブ・ヤフォ、ニューヨーク、ボストン、サンフランシスコ(サンノゼを含む)、ロサンゼルス、シアトル(タコマ、ベルビューを含む)、トロント、ロンドン、パリ、ベルリン、モスクワ、シドニーとなっている。

 科学者の評価を総合的に分析した結果、サブ指標ではシンガポールが教育、科学技術の二つで首位に立った。深圳は世界のイノベーション人材が最も憧れる「理想の都市」となった。

 上海は科学技術教育の面で科学者の高い評価を得た。優れた若い人材を独自に育成する能力が今後の世界のイノベーションをめぐる競争において上海の重要な強みになるとした。

 北京は教育と人材の面で優位性があるとされた。深圳はイノベーション人材の理想とかなり一致しており、上海は教育、科学技術、人材の3方面で優れているとされた。

 上海は仕事と生活の二つの面で世界の科学者が考える「理想の都市」上位3位に入った。2018年の調査に比べ、中国の都市の世界科学者に対する吸引力は大きく強まった。

 世界科学者が考える仕事面での理想の都市ランキングで、2018年の調査では中国本土の都市はいずれも上位10位から外れていたが、今回の調査では北京、上海、深圳が上位5位に入り、事業の発展に関するこれら3都市の科学者に対する吸引力が伝統的な科学技術イノベーションの中心都市に追いつき、追い越しつつあることが明らかになった。

 生活面での理想の都市ランキングをみると、2018年の調査では中国本土の都市はいずれも上位15位に入れなかったが、今回の調査では深圳が首位に躍進したほか、北京、上海も上位5位に食い込んだ。これにより、近年は中国の都市の住みやすさが大きく改善したことが証明されたほか、世界科学者の意識や選択が変わりつつあることも浮き彫りになった。

 海外の科学者が計画する引っ越し先の上位3位は北京、深圳、シンガポールで、4位には上海とニューヨーク、ボストンが同点で並んだ。この結果には北京、上海、深圳の世界科学者に対する吸引力が実質的に向上したことが十分に反映された。(深セン市政府ポータルサイト)